~THE VIEW KAMAKURAで過ごす、他人を視界に入れない週末~
鎌倉は、疲れる。
小町通りの人混み。
江ノ電の満員電車。
有名カフェの行列。
「癒やされたい」と思って来たはずなのに、気づけば人に酔って、ぐったりして帰る。
そんな鎌倉に、もう何度もうんざりしていた。
だから今回は、**「観光しない鎌倉」**を提案したい。
大仏も見ない。紫陽花も見ない。
そもそも、人が集まる場所へ行かない。
鎌倉駅からタクシーで約5分。
そこには、ただひたすら海だけを見て、人間を辞めるための隠れ家がある。
「THE VIEW KAMAKURA」
1日1組限定。
ここは、宿泊費で「水平線」を買う場所だ。
今回の旅のスペック表(まどろみ度:4.8)
| 項目 | 内容 |
| 場所 | 神奈川県鎌倉市(材木座エリア) |
| 施設名 | THE VIEW KAMAKURA |
| 特徴 | 1日1組限定・オーシャンビュー・屋外ジャグジー |
| 価格帯 | 1室 50,000円〜(時期により変動) |
| 食事 | なし(キッチンあり・持ち込み推奨) |
| まどろみ度 | ★★★★★(4.8) |
| 目的 | 誰にも会わない/海を見ながら溶ける |
※この宿の最大の価値は、**「他人を視界に入れない権利」**にある。
チェックインも非対面。気を使う相手は、海だけだ。

🏠 窓枠という名の「額縁」
正直に言うと、予約する前に一瞬だけ迷った。
8万円。
安い金額じゃない。
でも、人混みで消耗する週末を何度も繰り返すより、**「何も起きない時間」**を買う方が、安い気がした。
玄関を開け、階段を上り、リビングに入る。
その瞬間、言葉が止まる。
壁一面がガラス。
視界のすべてが、材木座の海と空だ。
余計な装飾はない。
テレビも、主張してこない。
ソファに座ると、ちょうど目線の高さに水平線が来る。
この部屋は、「海を見るため」だけに設計されている。
波が寄せては返す。
空の色が、少しずつ変わる。
それだけで、時間が進んでいく。
🛁 テラスのジャグジーで「溶解」する
この宿を、まどろみ旅の聖地たらしめているのが、テラスにある屋外ジャグジーだ。
水着に着替える。
――いや、誰の目もないのだから、そのままでもいい。
お湯に体を沈める。
目の前は海。
頭上は空。
聞こえるのは、波音と、遠くを走る車の音だけ。
シャンパンがあれば完璧だろう。
でも、コンビニの炭酸水でも十分だった。
温かいお湯の中で、冷たい風を頬に受けながら海を眺めていると、不意に、こう思う。
「あ、これ全部どうでもいいや」
仕事のこと。
人間関係。
SNSの通知。
圧倒的な景色の前では、すべてが塵になる。
人間が溶けて、ただの液体になっていく感覚。
これを味わうために、来た。
🍽 夕食は「Uber Eats」か「デパ地下」でいい
この宿にはレストランがない。
あるのは、キッチンと、上質なカトラリーだけ。
鎌倉に来たからといって、わざわざ名店を予約する必要はない。
それは「疲れる旅」だ。
正解はこうだ。
鎌倉駅の東急ストアやレンバイで、チーズ、ハム、パン、ワインを買う。
あるいは、Uber Eatsでピザを頼んでもいい。
届いたピザは、正直、どこにでもある味だった。
でも、パジャマ姿で、海を見ながら食べると、なぜか人生で一番うまい気がする。
ドレスコードはない。
すっぴんのまま、酔ったらそのままソファで寝る。
これ以上、鎌倉らしい贅沢があるだろうか。
🌅 翌朝、誰よりも早い海を見る

目が覚めると、部屋の中が青白い光で満たされている。
カーテンを開ける必要はない。
そこにはもう、朝の海がある。
コーヒーを淹れる。
まだ誰も歩いていない海岸線を、温かいカップ片手に見下ろす。
サーファーが数人、波を待っている。
彼らもまた、海に癒やされに来た人たちだ。
チェックアウトは10時。
それまで、またジャグジーに入ってもいいし、二度寝してもいい。
鍵を返した瞬間、この魔法は解ける。
だから、最後の一秒まで、この景色を網膜に焼き付ける。
🧠 旅のトリビア:引きこもるためのQ&A

Q. 本当に駅から歩かないほうがいい? A. 歩かないほうがいい。 鎌倉駅から徒歩20分ほどだが、荷物を持って歩くには遠い。何より、道中の人混みで「まどろみモード」が解除されてしまう。駅前からタクシーに乗り、「材木座のTHE VIEWまで」と伝えれば5分(約1,000円)で着く。その1,000円は必要経費だ。
Q. 食材はどこで買うのが正解? A. 鎌倉駅周辺で全て揃えよう。 宿の近くにもコンビニはあるが、一度チェックインしたら外に出たくなくなる(階段の上り下りすら億劫になる)。駅前の「東急ストア」か、少し歩いて「レンバイ(農協連即売所)」でおしゃれな野菜やデリを買い込んでからタクシーに乗るのが、プロの引きこもり方だ。
Q. キッチンは使える? A. 驚くほど充実している。 バルミューダのトースターや、本格的な調理器具、ワイングラスも揃っている。ただし、凝った料理を作って疲れては本末転倒だ。「切るだけ」「温めるだけ」のものを用意するのがおすすめ。
Q. パジャマはある? A. ここは貸別荘スタイルなので、ナイトウェアの持参を推奨する。 せっかくの「自分の城」だ。家で一番着心地のいいスウェットか、あるいは着古したTシャツを持っていくといい。誰に見られるわけでもないのだから。
Q. 1人でも泊まれる? A. 泊まれる。 本来は2名〜の料金設定だが、1人で予約して贅沢に空間を使うことも可能だ(料金は1室単位なので変わらない)。割高に感じるかもしれないが、「誰にも邪魔されない空間」への課金だと思えば安いものだ。
まとめ:8万円は高いか?

1泊数万円。
決して安くはない。
でも、これは単なる宿泊代じゃない。
- 他人を視界に入れない権利
- 水平線を独占する権利
- 脳内ノイズを強制的に削除する費用
そう考えれば、むしろ安い精神医療費かもしれない。
「最近、人に疲れたな」
そう感じたら、有給を申請して鎌倉へ逃げ込もう。
大仏は見なくていい。
ただ、この部屋からの景色があれば、人は、ちゃんと再生できる。
※THE VIEW KAMAKURAは、
公式サイトのほか、予約サイト経由で空きが見つかることもある。
予定が決まっていなくても、先に空室だけ眺めておくと、
この「逃げ場」が頭の片隅に残る。



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