~毎晩の花火と、ソファで眺める活火山~
北海道旅行は、体力がいる。
広すぎる大地。長距離の運転。詰め込まれた観光スポット。
「試される大地」なんて言葉があるけれど、
私たちはもう、試されたくない。ただ、癒やされたいだけだ。
「北海道に行きたいけど、もう運転も観光もしたくない」
そんな人にこそ、すすめたい場所がある。
それが、**洞爺湖(とうやこ)**だ。
札幌からバスで約2時間半。
そこにあるのは、少し懐かしい昭和の面影と、鏡のように静かな湖。
最新のリゾート地にはない「隙(すき)」と「余白」。
何もしない週末を過ごすには、これくらいがちょうどいい。
今回の旅のスペック表(まどろみ度:4.2)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 場所 | 北海道 洞爺湖温泉 |
| アクセス | 札幌駅から送迎バス(または高速バス)で約2.5時間 |
| 特徴 | 毎晩上がる花火、レトロな温泉街、不凍湖 |
| 見どころ | 部屋から見る花火、ヘリコプター、有珠山 |
| 推奨時期 | 5月〜10月(ロングラン花火開催) |
| まどろみ度 | ★★★★☆(4.2) |
※冬の洞爺湖も「しん」として美しい。
ただ今回は、**「毎晩の花火」と「テラスでの昼寝」**を最大化するため、
あえてグリーンシーズンを推奨する。

🕒 今回の旅の工程表(移動で疲れない2泊3日)
「北海道旅行=移動で疲れる」という常識を捨てる。
レンタカーは借りない。運転もしない。
ただ、乗り物に運ばれて、絶景を見るだけ。
【1日目】移動と、最初の花火
13:30|札幌駅から送迎バスへ
洞爺湖万世閣の送迎バス(完全予約制)を利用。
これに乗れば、寝ているだけで着く。
レンタカーの緊張感から解放される瞬間だ。
16:00|チェックイン&即・温泉
荷物を置いたら、最上階の「星の湯」へ。
夕暮れの洞爺湖と一体化するインフィニティ風呂で、
移動の疲れ(と言ってもバスに乗っていただけだが)を洗い流す。
18:30|ビュッフェでホタテを狙う
北海道のビュッフェは戦場になりがちだが、焦らなくていい。
チーズ工房のチーズと、噴火湾のホタテ。
それだけで、もう十分だ。
20:45|部屋の明かりを消す(重要)
洞爺湖ロングラン花火大会が始まる。
窓際の椅子に深く座り、ビールを開ける。
湖上を移動していく花火を、20分間ただ眺める。
人混みは、ない。
【2日目】空と山、2つの視点
11:00|サイロ展望台で「空」を買う

タクシーでサイロ展望台へ。
ここでやることは一つ。ヘリコプターに乗る。
自分の足で登山するのは疲れる。
でもヘリなら、座っているだけで鳥の視点が手に入る。
料金は約5,000円。
これは移動ではない。脳の視点切り替えスイッチだ。
14:30|Mt.USUテラスのソファへ

有珠山ロープウェイで山頂へ。
右に洞爺湖、左に昭和新山。
活火山を、ふかふかのソファから眺める背徳感。
人間は、楽をしていい。
【3日目】昭和レトロを流す
射的場、木刀の土産物屋、少し古びた看板。
廃れているのではない。
時間が止まっているのだ。
「わかさいも本舗」でお土産を買い、
送迎バスで札幌へ戻る。
目が覚めたら、そこはもう現実だ。
🏨 万世閣のインフィニティに溶ける
宿は洞爺湖万世閣 ホテルレイクサイドテラス。
最上階の露天風呂「星の湯」は、
湯船の縁が見えないインフィニティ設計。
肩まで浸かると、お湯と湖面がつながる。
※予約するなら**必ず「レイクビュー(花火側)」**を選びたい。
数千円の差で、毎晩20分の特等席が手に入る。
🎆 部屋から見る「移動する花火」
4月末〜10月、毎晩20分。
湖上を移動する船から、花火が上がる。
部屋の電気を消し、窓際に椅子を寄せる。
ドーンという音。
左から右へ流れていく光。
終わったあとの静寂まで含めて、
これはもう**環境映像(ヒーリング)**だ。
🧠 旅のトリビア:洞爺湖Q&A

Q. 車(レンタカー)なしでも大丈夫? A. むしろ無いほうがいい。 冬道の運転は危険だし、夏も長距離運転は疲れる。札幌からの送迎バス(または道南バス)を使えば、お酒も飲めるし、移動中も寝ていられる。現地での移動(ホテル⇔サイロ展望台など)だけタクシーを使えば、レンタカー代より安く済むことが多い。
Q. 本当に部屋から花火が見える? A. 「レイクビュー」の部屋なら確実に見える。 予約時に数千円をケチって「山側(街側)」の部屋にしてはいけない。その数千円は、花火の特等席代だ。ただし、風向きによっては煙で見えにくい日もあるが、それもまた一興。
Q. 洞爺湖は「廃れている」って本当? A. いい意味で「枯れている」。 バブル期の遺産のような大きなホテルや、昭和の香りがする土産物屋が残っている。だが、それが今の時代には一周回って「エモい」。ギラギラしたインバウンド向けの観光地に疲れた人には、この静けさが最高の薬になる。
Q. ランチのおすすめは? A. 「望羊蹄(ぼうようてい)」か「わかさいも」。 レトロな洋食が好きなら老舗の「望羊蹄」。ポークチャップが有名だ。手軽に済ませたいなら「わかさいも本舗」のレストランへ。窓から湖を見ながら食べる仙堂庵のホタテ御膳は間違いない。
この旅が向いている人 / 向いていない人
向いている人
- 運転したくない
- 観光地に疲れた
- 予定を詰めたくない
向いていない人
- 毎日違う場所に行きたい
- 写真を大量に撮りたい
まとめ:ちょうどいい「停滞」

洞爺湖には、派手な刺激はない。
あるのは、動かない湖と、毎晩同じ花火と、変わらない街。
「何もしない」をしに行く北海道。
疲れた大人には、これくらいの停滞が必要だ。
次の連休は、洞爺湖で時計を外そう。



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